2014年 9月定例会 討論

すべての議案に賛成

 議席24番,中西大輔です。
 私は,今定例会に提出された全議案に賛成の立場をとりますが,複数議案について意見を付与するものです。

 まず,議案第33号 平成26年度鈴鹿市一般会計補正予算(第1号)について,必要な施策への対応ということで,妥当な予算と了解します。ですが,幾つか意見をさせていただきたいと思います。
 まず,先ほど森川議員の討論の中でも見えてきましたが,鈴鹿市にとって公共施設の維持更新ということが大きな課題であるということ,このことについて,今回の補正予算を通じて,執行部は意識を新たにすべきということを改めて申し添えさせていただきたいと思います。

 一つは,小学校つり天井改修と第二学校給食センター施設整備に関する補正予算の理由となっているものの中に,資材価格と労務価格の上昇ということがあり ますが,現在,東日本大震災の復興事業の推進,東京オリンピックを初めとした大都市圏での再開発などの投資が進んでいること,また三重県内においては平成 33年に国体が開催されるということで,平成30年にはインターハイも含めて,各市町で施設改修の話というのが進んでいます。このようなことから勘案する と,まだまだこのような資材価格であるとか労務価格の上昇の要素は強く,多くありまして,今後,鈴鹿市における公共施設の維持更新について大きな影響があ ることは,今回の補正予算の内容から十分にわかるところでありますし,そのことを今後の公共施設マネジメントに生かしていくべきだというふうに提言させていただきます。

 二つ目に,小学校1校と中学校1校のプール施設の維持修繕について,FRPを使って補修を行う,全面に張って補修を行うということですが,その耐用年数 は基本10年,補修等を行っていけば20年もつということではありますが,FRPにつきましては,廃棄物としても,資源としての再利用についてもまだまだ 課題があるところをやはり踏まえるべきでしょう。今後も多くの学校について,プール補修,維持補修,維持修繕が必要になってくるというところは間違いのな いところで,環境面も考えたときに,私たちはこのFRPの修繕ということについてもう一度考え方を改めていく,見直していく必要があるのではないかと考え ます。そのようなプール施設について,鈴鹿市として今回の補正予算を機に,その維持と更新のあり方について根本的な議論を行ってくべきだということを申し 添えさせていただきます。

 三つ目に,放課後児童健全育成施設整備費,学童クラブかわたろうの施設整備計画についての補正予算なのですが,こちらのほうも先ほど森川議員の討論にも ありましたが,この補正予算を機に,学童保育施設については,公設民営の学童保育施設について特に老朽化等の課題が出てくるでしょうから,学校施設の使用 を前提にしながら施設マネジメントをしっかり取り組んでいくべきだということを意見を添えさせていただきます。

 次に,議案第33号の補正予算の中で,教育情報化推進費があります。児童用タブレット型パソコン導入に伴って,教育用パソコンを教職員用に転用するとい うことと,あわせて新規に校務用パソコンを導入するという趣旨については賛同するものですが,導入に当たって若干懸念がありますので,その点を慎重に対応 すべきだというふうに意見したいと思います。
 懸念する点というのは,インターネットとメールの設定という部分があるのですが,この点について,確かに一人一人の教職員の方がインターネットに接続し たり,メールを使ったりするということは必要と考えるところですが,現時点で,鈴鹿市教育委員会として,情報セキュリティについての考え方の整理であると か,鈴鹿市にはICT推進本部がありますが,その本部との関係であるとかの整理がまだ見えてこないという点が懸念される部分です。ですので,このパソコン 導入に当たって,特に外部の接続になるインターネットとメールの部分については,一旦ちょっと立ちどまって考えていただきたい。特に情報セキュリティにつ いての運用指針,情報保護についての指針,担当部門の設置など,このような点について十分に検討をしていただきたいと考えます。ですので,初期の段階はソ フトのほうの利用にとどめ,この年度内できちんと鈴鹿市として方針を出した上で,外部接続,インターネットであるとかメールの使用ができるようにするよう に取り組んでいただくように意見したいと思います。

 次に,議案第38号 鈴鹿市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について,これまで行ってきたものを,国の基準を参酌 しながら条文として整理したものであり,今議案には賛成するものです。しかしながら,今定例会において,議案質疑と一般質問において,私,その点について 論点として取り上げさせていただきましたが,やはり保護者主体の運営委員会を条例で定義する放課後児童健全育成事業者として考えてよいのかという課題,放 課後児童支援員の方々の雇用形態と運営についての課題,施設の維持更新の課題というものがまだまだありますから,また市の執行部の答弁の中では,市として もその認識は持っているということですので,そのようなことを総合すると,やはり鈴鹿市にとって放課後児童クラブの運営のあり方はもちろんなんですけれど も,子供たちの放課後の居場所のあり方といった点から根本的に改革すべきで,市として真摯な対応を求めることを提言します。

 次,第二学校給食センターに関係する議案第41号,議案第43号,議案第44号について意見します。
 議案第41号は,先ほど議案第33号の中でも申しましたが,給食センター建築工事で資材と労務単価の上昇により3,781万2,960円の契約変更を行 うという内容になっております。これを一つの契機に,学校を初めとした公共施設の課題というのが市民一人一人の方々にとっても自分事であること,特に子育て世代の方々にもしっかりと伝わるように市報などで説明を行っていただくことを提言します。

 議案第43号は食器等の購入,議案第44号は食缶等の購入で,あわせて5,619万4,560円となっておりますが,汎用品での購入,また市内業者参入 を意識しているということについては評価できるものなのですが,一方で,このような食器であったり食缶であったりは,約5年を目途に更新がされていくものであるということ,そのようなものについて,応分のコストがそのたびごとにかかっていくことをやはり市報などで説明を行うべきだというふうに考えます。つ きまして,来年の中学校給食実施に当たりましては,やはり用地取得,建築,学校改修,食器購入など,このようなものと,あと年間の運営費もあわせてどれだけ税が投入されるか,また1食当たりどの程度の税支援額になるかなどを3月の市報で公表することを提言したいと思います。

 次,議案第48号,平成25年度鈴鹿市一般会計決算の認定に当たって,監査委員による決算審査意見書の結びに,本市の財政は厳しい状況にあり,今後も厳 しい財政運営が続くものと考えられるという点と,扶助費が増大傾向で,財政運営の硬直化が懸念されるという点,将来に向けて持続的な財政運営が行われることを望むものであるとあります。次年度予算編成においては,これらの点をしっかり押さえ,財政規律を緩めることがないように計上していただくことをまず提 言させていただきたいと思います。

 そのことに当たっては,そもそも国の財政についても,歳出が歳入の2倍近くの金額となっており,その差額を埋めるためには,実際のところは赤字国債の発 行で賄っているという現状があるということをやはり忘れてはいけない。そのような状況の中,また国際的な状況も非常に,イスラム国の動きであるとか,不安 定さを見せている状況があり,その大きな流れの中で自治体としての自己責任が非常に強く問われている時代に入っているということを忘れるべきではないと思 います。

 特に鈴鹿市においては,現在,次期の中長期計画について策定中であること,都市マスタープランの見直し途中であること,固定資産台帳の作成や施設のインフラマネジメントに取り組んでいる途中であることを考えると,それらが整理されていない中でやみくもな投資を行うことは,将来に大きな財政リスクとなる可 能性が大きいという点を忘れるべきではありません。それらの計画策定を最優先し,市民も含め,全市的に情報と課題を共有した上で,取り組むべき事業を選択 すべきです。持続的な地域社会運営,自治体の持続的運営が大切であり,財政規律のたがを外すということについては慎むべきです。
 今回の決算審査から,鈴鹿市も和光市や多治見市などのように,財政規律を守るための条例の制定を検討すべきということを意見させていただきます。

 あわせて,執行部から議会に提出されている決算書などの資料や情報について,現時点でやはり審査のために十分な情報が提出されるとは言いがたく,予算時に配付されるようになった事項別明細書ともあわせて,行政評価と連動した資料と情報を市民にも同時に公開する取り組みを進めるべきということも意見させて いただきます。

 今,私たちが討論等を行っている鈴鹿市議会,議会という場というのは,自治にとって非常に重要な場です。そこで,鈴鹿市行政にとっても,やはりこの場で どのような資料が提供されるかということが非常に重要になってきます。行政につきましては,各資料やデータをデジタルデータとして配布することをより一層進め,本会議場と委員会室において執行部もパソコンなどの使用を推進するよう,次年度予算に必要経費を計上すべきだというふうに提言させていただきます。
 また,議会の中でも議論はありますが,聴覚障害,視覚障害,いろいろな障害を持った方々もいらっしゃるということを前提に,そのような方々にもわかりやすい議会のあり方ということを執行部側にもしっかり考えていただきたいということを意見させていただきます。

 細かくなりますが,土木費について,現在取り組んでいる1・2級路線のアセットマネジメントだけでなく,それ以外の市道の維持と更新のあり方について,次年度,しっかり検討に取り組んでいただくための予算を計上していただきたいと思います。

 教育費につきまして,大切なことはやはり教育の内容を充実させることです。子供たちに対するさまざまな教育カリキュラムやメニューの拡充,保護者の収入 に左右されず,学びの機会が得られるように,放課後を活用した補習授業の充実や支援メニューの充実,また文化やスポーツなどのメニューを充実させるため に,鈴鹿市は教育予算を次年度においてふやすべきだというふうに意見させていただきます。
 その中でも特に,平成27年度に取り組んでいただきたい内容ですが,学校図書館について,パソコン整備率がほぼゼロという状況があります。ということは,学校図書館について,鈴鹿市として今,力を入れるべきだということをはっきりさせていただきたいと思います。情報拠点としてだけではなく,多様な学びや活動の拠点とするための整備に取り組んでいただきたいということです。具体的には,全ての学校図書館に電子黒板とパソコンを整備して,調べ学習はもちろんですが,その発表のための資料づくりに活用できる空間として学校図書館を整備すべきだというふうに意見させていただきます。その際,中学校図書館に配置 されるパソコンにつきましては,一般的に印刷データなどを作成する際に用いられている編集ソフトを導入するなど,中学生にとってのキャリア形成の一環になるようにも配慮すべきだというふうに意見させていただきます。

 そのほか,行政情報のオープンデータ化の推進もより一層進めていただきたいと思います。行政内部でも,個別の行政情報のオープンデータをそのまま出すのではなくて,それらを組み合わせることによって,市民にとって価値の高いものを提供するということを意識していただきたいということです。例えば,水道局 の持っている埋設水道管の情報と消防のほうが消火活動で使用する消火栓についての情報を組み合わせれば,どのようなことが考えられるか。それは,火災が発 生した際に,濁り水の発生が予測される地域が提供できるということが考えられますので,そのような検討に取り組んでいただきたいというふうに意見します。

 ふるさと納税については,特産品を活用した推進も重要な視点だと私も考えるところですが,やはりもともとの趣旨に立ち戻って,鈴鹿市として魅力的な政策提案を行い,それに対してふるさと納税を求めるという形ですね。市外在住の,もともと鈴鹿市から出身された方々の納税に訴えるということをより検討していただきたいというふうに提言させていただきます。

 最後になりますが,平成27年度から第二学校給食センターが稼働されることになります。そのことは,つまり中学校給食実施にかかわる経費が経常的な経費として増加することを意味しています。つまり,財政運営が今年度よりもより一層厳しく,難しくなることが想定されてくるわけです。市税などの自主的な財源については,これまで以上に大幅な増加を見込むことが難しい中で,先ほど申しましたが,教育予算を拡充するためには,より戦略的な視点で施策の精査と取捨選択を行う必要があることを意識して,この決算を受けて,次年度予算の策定に取り組んでいただきたいということを提言させていただきます。
 以上をもって,私の討論とさせていただき,今定例会に提出された全ての議案に賛成するものです。議員各位の御理解をよろしくお願いします。