2012年 3月定例会 討論

3議案反対、残り賛成

 私は,議案第1号 平成24年度鈴鹿市一般会計予算及び議案第30号 平成23年度鈴鹿市一般会計補正予算及び議案第14号 鈴鹿市税条例の一部改正についての3議案に反対として,残りの議案には賛成の立場をとります。

 まず,議案第1号に関して,反対の主な内容についてですが,それは,やはり中学校給食実施に向けての学校給食センター等施設整備費,計2億7,253万9,000円について,今議会の審議内容では賛成しかねるためです。今議案は,中学校配ぜん室等の整備費等も含め,建設関連だけで総事業費が24億4,000万円の事業であると同時に,建設後の運営については,管理運営費として,年間3億2,000万円の負担が発生することを前提にしています。
 この内容について反対に当たりまして,まず,一つ目には,この議案内容自体が平成27年4月の供用開始というスケジュールに合わせるために,多様な方式を含めた給食のあり方そのものの検討が不十分と考えることがあります。
 このセンター方式の根拠としているのは,平成24年度の給食検討委員会からの答申ということでありますが,その時点から考えれば,大震災も含めて経済社 会状況は大きく変化しております。その点を十分に取り入れて,やはり本来であれば,答申内容について再評価をして,再検討してから取り組むべき課題であり ます。その中で,スケジュールに合わせるための動きというものは,非常にリスクの高いものです。スケジュールに合わせることに執着する余り,本来,取り除くべきリスクが見逃されることになれば,それはひいては,大きなマイナスになってくる,そのように考えます。
 また,公民連携が取り上げられる中,民間をどのように活用するのか,どのような活用の形があるのか,地域経済との関連との検討がなされたのかについても疑問を持ちます。この点についても,審議の中では不透明でした。民間につきましては,何も私企業だけではなくて,コミュニティビジネス等,地域の人たちが,そこに参加するという形の民間の形もありますから,そのようなことは十分に検討されるべきだと考えます。
 スケジュールという観点から考えたとき,給食の早期実現という観点からであれば,先ほど討論の中でもありましたように,民間に事業を委託し,ランチサー ビスの形態をとることをすれば,鈴鹿市負担となる初期投資と維持経費の抑制を図りながら,平成27年までの実施も容易なはずです。これにつきましては,既に,もうランチサービスについては一部実施されていることもありますから,それを選択して拡大しない理由についての説明についても,不足していると考えま す。
 ランチサービスを選択せず,中学校給食を実現するために,給食のための施設を建設するのであれば,先ほど申しましたが,経済社会状況が変化していることも踏まえて,どのような施設のあり方がよいのかをやはり十分に検討するべきです。
 先ほど開政クラブさんからの討論ありましたが,自校方式をとることによって,災害時,その他,リスクに対しても,非常に分散が図れるのではないかということがあります。
 センター方式の答申についても,少子・高齢,人口減少社会を十分に検討しているかなどの問題点ということは,やはり見え隠れしております。センター方式でなく自校方式であれば,小回りのきく食育を前提とたメニューづくりもできるでしょうし,これは,それぞれの学校において,特色を持った給食づくりができると,そのようにも考えます。
 また,人口減少,高齢化社会が目の前に来ている現在,地域での高齢者の方々に対する配食サービスということも想定していく内容に入ってくるのでないかと考えます。
 そのように考えたときにも,自校方式を選択して検討すれば,単にセンター方式を採用するよりも,高齢化社会に対応することが容易になる,ひいては,市民サービスが同じコストで,よりよいものになっていくことが考えられます。
 また,最近もありましたが,一つのところでやる,行うということは,やはりリスクというのはあります。食中毒であったり,病原性大腸菌も含めた食中毒な どのリスクに対して,もし発生した場合は,そこでつくられるもの,すべてが配食不可能になってしまう。これは大きなリスクではないでしょうか。そのような点について,比較検討されているかどうかの説明不足は否めないところだと考えます。
 つまり,ランチサービスを選択せず,中学校給食を実現するというのであれば,まずもって投入される税金に対して,より市民サービスが向上されるように十分に検討されなければいけないはずです。それがスケジュールに合わせた計画で,推進される中で担保されるかと考えれば,非常に難しい,現時点では非常に難 しいと判断せざるを得ません。
 先ほど共産党さんからの討論の中にもありましたが,ただ,今回の委員会の質疑の中で,鈴鹿市の取り組みとして,一つ評価するべき点は,19校の小学校の 単独調理室について,これまでは三つの給食センターで給食の配食を行ってくるというものが,19校の単独調理校を残していくという方針を出したことにつき ましては,やはり香りも含めた小学校における,食育含めた子供たちの教育のためには,非常に重要な大きな選択だったと,その点については評価させていただ きます。
 しかし,維持の方針は出たものの,実際のところは口約束だけであって,その給食室そのもの,小学校の単独調理校の給食室がどのように更新されていくの か,改修されていくのか,その点についての計画については,全くまだ提示されておりません。ですから,何も担保されていないということになります。このようなところからも,維持,更新についての説明が不足しているということで,賛同できかねる点です。
 委員会質疑の中では,私は,教育委員会に対して,給食センターについてのライフサイクルコスト,つくってからどれだけのコストがかかっていくのかという ことを質疑いたしましたが,それについて,明確な答弁はありませんでした。それが出ていない中で,果たしてほかの公共施設の維持,補修や大規模改修などが きちんと進められるのかは大きな疑問です。
 教育委員会関連につきましても,学校の大規模改修等,まだまだこの10年間の中でも大きな改修があります。実際に,ほかの公共施設ですね,鈴鹿市の中で の公共施設や道路などの社会インフラの更新の課題について,未整理の状態で,このように新規でかつ大規模な箱物の整備を行うことというのは,大きなリスク を今後に対して負うこと,先送りすることになるのではないかというふうに考えます。その点からも賛同できかねます。

 今回の1号議案と30号議案,重ねて考えますと,財政調整基金から差し引きですと,約15億円取り崩すということになっております。
 このような中で,大胆な財政調整基金の取り崩しというのは,必要な場面もあるでしょうが,財政調整基金を安易に取り崩すことは,将来の世代の,本来は持つべき貯金を取り崩してしまう,そのことを安易に認めてしまうということにつながってしまうのではないか,その点については,やはり非常に危機感を感じます。
 この15億円,財政調整基金が大幅に取り崩されるということは,鈴鹿市の財政状況がお世辞にもいいものとは言えない,そのことを明らかにしているのではないでしょうか。
 何度も,2回目の繰り返しとはなりますが,建設関連だけで,総事業費が24億4,000万円,その後,管理運営費として,年額3億2,000万円の負担が発生することについて,このような施設が約30年近くにわたって運営されることから考えれば,大規模改修の必要性も考えれば,かなりの先送り,先に負担を送ることになるのでないかと考えます。
 給食の実現そのものには,決して全く反対するものではありませんが,このような大きな負担を先に送るということについては,非常に慎重にならざるを得ない,それが今回の討論の中でもあります。
 行革大綱のほうを策定しているということでありますが,そのような中との関連についても,全く説明のほうはできていない,そのように考えますし,私たちについても,財源について,市債発行であるとか,財政調整基金の取り崩しに安易に頼るべきではありません。
 また,今後,管理運営に想定されている3億2,000万円についても,その財源がどこから出てくるのか,何かを削るのか,それとも税収をふやすのか,それについても,全く何もわからない中で計画だけを推進させてしまうことは,これは非常に大きなリスクだと考えるところです。

 このような中で,文教福祉委員会のほうで提言はさせていただきましたが,学校,公共施設のつり天井の課題について,鈴鹿市においては,特に学校については,平成24年,25年に,本来であれば改修予定のものが,平成24年度,今予算では1校分しか出てきていないなど,安全・安心というふうなことが叫ばれる中で,そもそもの鈴鹿市のこの予算策定に対する意識にも大きな疑問を持つところです。
 当初予算の減額修正等,いろいろ検討しておりましたが,今回,中学校給食について,センター建設にとらわれることなく,ほかの方式等も検討した中での予算の扱いを考えてみましたが,今回の反対討論ということになったことは残念な部分であります。

 次に,議案第30号に関して,反対理由につきましては,防災情報伝達システム整備費3億9,800万円と学校給食センター費の10万4,000円の減額について,前者は,計上内容に課題があると考えるため,後者は,1号議案と関連していることが反対の理由です。
 まず,防災情報伝達システム整備費に関して,市内に津波災害を想定して,屋外スピーカーの設置も含めた同報系無線を整備することは,特に海岸線に居住す る住民の方々にとって重要な施策であり,国の補助を活用して,一刻も早く整備することは,何ら否定するものではありません。
 しかし,3億9,800万円の事業が随意契約を前提に設計されていることに疑問を持ちます。
 予算決算委員会などを通じて市側に意見,討論の形で意見などを出しましたが,その点について,市側から検討内容が,結果が提示されていないこと,結論が明確でないことが賛成できかねる大きな理由となっています。

 災害に備えるシステムであるということは,大規模災害時だけでなく,平時も,また,復旧の局面も想定しながら,さまざまなリスク要因を考慮して,本来設計がなされるべきであり,その点のリスクマネジメントについて,明らかになっていないことは,やはり課題があると考えます。
 現在,配備されている260メガヘルツ帯の無線をベースに設計を行い,それをもとに随意契約を考えたということですが,本来であれば,設計段階で特定の システムに依存しない設計を行い,それをもとに一般競争入札を行うことで,同じコストでよりよいシステムを市民の方々が享受できるようにすることが現在の行政運営で必要なことです。
 また,一般競争が成立,システム設計を行うことは,後々のメンテナンスや災害時の復旧の場面においても,多様な事業者により取り組むことができるという メリットかあるはずです。それが特定のシステムに依存することになると,その事業関係者でなければ取り組めないことであったり,事業者の経営などにも左右 される要因が出てくるなど,リスク要因がふえてきます。
 生活産業委員会を傍聴しておりましたが,レガシー問題として,この件,取り上げられていたと思いますが,この点についても,市側からの答弁はあいまいであり,賛成できない理由となっております。

 二つ目の反対理由,給食センター,学校給食センター費の10万4,000円の減額について,1号議案と関連しているため反対します。その趣旨は,今回の予算計上に当たって,平成27年4月供用開始を予定するため,学校設計コンサル検討委員会の開設を取りやめたということですが,このような流れで進められていくことに対して疑問を持つため,反対とさせていただきます。

 この1号議案,30号議案の反対内容に共通することですが,さきの12月議会での防災マップ作成と人工芝張りかえの際にも指摘しましたが,予算根拠が不 透明,説明が不十分という市側の姿勢について,今回も改善が見られない。同様の構図は見えるということがあります。予算計上について,外部に依存するよう な構図がやはり強く見え,税金を使うという意識が希薄ではないかと考えます。このようなことについて,鈴鹿市の組織風土の一部とならないよう,強く抗議する意味で反対をさせていただきます。

 議案第14号に関して反対理由は,市民税の均等割に対して500円の増税議案という点についてです。
 今回の条例改正案について,複数の地方税法に係る法の改正と,法律の制定で構成されていることは認識しております。条例改正点について,たばこ税の県税からの税源移譲,国民健康保険税の賦課限度額の改正,退職金の特別控除特例の廃止,東日本大震災に係る特別雑損控除額等の特例についてなどは,特段異論なく賛成するところです。
 しかし,法律の制定に係る部分,東日本大震災からの復興に関して地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関 する法律について,平成23年度から平成27年度に地方公共団体が実施する防災のための施策に要する財源確保のためとして,平成26年度から35年度まで の市県民税の均等割に,それぞれ500円を加算するという内容に反対します。
 反対理由は,今回の特例での審議の中で,鈴鹿市としての税収は,これにより,約5,000万円の増収というふうなことになるということではありますが,この額については,鈴鹿市の努力で出せる,検討できる,十分に検討できる金額であると考えます。
 このような内容について,地域の実情を考慮してではなく,地域に対して働きかけるのではなく,国が一方的に使途を考え,住民に課税を行うことを地方公共 団体に求めることは,地方自治の観点から看過できるものではありません。消費税増税が大きな議論となっている中で,国がこのような形で増税を地方公共団体 におろしてくることは,やはり大きな問題だと考えます。行政は,法に基づいて行動することが求められますが,私たち地方議会は,それに抗し得る存在である と考え,その意味で反対をします。
 また,均等割での増税となることから考えると,やはりこの内容については,住民,市民の方々に情報を開示し,その上での判断を地方議会は求められると考えます。
 平成26年からの加算になるということは,平成25年度の収入に対しての課税であり,その告知のために,平成24年度に告知することになり,それである から,この3月議会で議決を求められているのでありますでしょうが,やはり災害対策の増税という,その形があるとしても,本来,その選択は,その地域の住民意思にゆだねられるべきと考えますから,均等割への500円の増税に反対するものです。
 以上で,私の討論を終わります。
 皆さんの御賛同をよろしくお願いします。