2023年 2月 一般質問

1 環境基本計画案の再考を
 (1) 気候変動適応に対する考え
 (2) 変化に合わせた再考を

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○17番(中西大輔君)
 議席17,市民の声,中西大輔です。
 通告に沿って,環境基本計画案の再考,市長部局と教育委員会の連携,都市計画と公共交通,計画策定に若者・市民参画の拡充の4つの論点をお聞きします。

 それでは,大項目1,環境基本計画案の再考を問います。
 パブリックコメントに現在かかっている,しあわせ環境基本計画案に目を通しましたが,気候変動適応が少ないように感じます。地球温暖化の緩和策としての二酸化炭素排出削減が求められるのは,気候の極端化による災害が世界各地で発生,日本でも多発しているからではないでしょうか。そう考えると,緩和策と適応策であれば,適応策に力を入れるほうが重要と私は考えます。
 それに関連して,同じくパブリックコメントにかかっています地球温暖化対策実行計画の区域施策編の17ページ,そこで市民アンケート問16,鈴鹿市で重点的に進めてほしい地球温暖化対策の結果が掲載されていますが,その回答を見ると,対策1,豪雨災害などの気候変動への適応が62.2%ということで一番となっています。

 こちらのほうを考えてですが,区域施策編62ページからの第3部気候変動への適応に向けてを読む限り,過去の一般質問における議論を踏まえても,またアンケート結果について考えても,反映されているようには考えられません。

 象徴的なことは,第4節自然災害・沿岸域分野を見ても,2018年に土木学会が公開している国難をもたらす巨大災害対策についての技術検討報告書や,2020年に社会資本整備審議会から公開されている気候変動を踏まえた水災害対策の在り方についてに関する記述が該当ページにはありません。
 また,5ページに記載されていることですが,世界首長誓約の中に,気候変動の影響への適応に取り組むことを誓約しとあることを考慮しても,記述の弱さは課題ではないかと考えるところです。

 以上のようなことから,今回の計画案をもって,鈴鹿市の気候変動適応策とすることになれば,それは疑問と感じますので,検証も含めて,市の気候変動適応に対する考えをお聞きしたいと思います。

 また,諸外国での気候変動による災害に対する動きや国際情勢に伴ってみえた電力供給の課題,代替燃料や水素を利用する内燃機関の開発,EVの動向などを見ても,かなり現在も流動的に動いている部分があることを勘案すると,しあわせ環境基本計画案と実行計画区域施策編案について,審議会で再考していただき,その上で再提出いただくほうが望ましいと考えますが,いかがでしょうか。考え方をお聞きしたいと思います。

○議長(宮木 健君) 環境部長。
              〔環境部長 鈴木佳明君登壇〕

○環境部長(鈴木佳明君)
 それでは,中西議員の御質問の環境基本計画案の再考をのうち,1点目の気候変動適応に対する考え及び2点目の変化に合わせた再考をについて,併せて答弁申し上げます。

 現在,鈴鹿市しあわせ環境基本計画の計画期間が満了することに伴い,次期計画のパブリックコメントを実施しているところであります。
 計画を策定するに当たり,本市の環境保全に関する方針等を検討するため,昨年度に市民及び事業者の方を対象に意識調査を実施しました。その結果,現状の満足度が低い項目及び将来の重要度が高い項目として,地球温暖化対策が該当したため,基本目標1に地球温暖化対策を位置づけ推進していくことにしました。
 また,地球温暖化対策については,温室効果ガス排出量の削減を図る緩和策と,地球温暖化による気候変動の影響で発生する様々な分野における影響を軽減するための本市の特徴に応じた適応策を推進する地域気候変動適応計画を含めた鈴鹿市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を併せて策定し,2050年カーボンニュートラル社会の実現を目指してまいります。

 気候変動適応計画につきましては,地域気候変動適応計画策定マニュアルに基づき,国内におけるこれまでの気候変動の影響や将来の影響を考慮し,本市が優先的に取り組む気候変動の分野や項目を選定した上で,関係部局に広く意見を聴取し,本市への影響や各所属が計画・実施している施策を整理して,本市の気候変動への適応をどのように推進していくのか基本的な方向性を示しました。

 議員御指摘のアンケート結果において,重点的に進めてほしい地球温暖化対策に豪雨災害などの気候変動への適応が62.2%と一番高い割合になっていることの計画への反映につきましては,第3部気候変動への適応に向けてのうち,第4章各分野におけるこれまで及び将来の気候変動の影響の整理,第4節自然災害・沿岸域分野におきまして,本市への影響を予測した上で,基本施策について関係部局と協議し,取りまとめたところです。

 本計画において,個別具体的な施策は記載しておりませんが,その詳細につきましては,担当部局の計画等により実施し,基本施策を推進してまいりますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。

 また,本市の適応策の取組としては疑問であるとのことですが,当該計画につきましては現在,パブリックコメントを実施しております。パブリックコメントで頂きました御意見等につきましては,精査し,鈴鹿市環境審議会において調査,審議を行ってまいりますので,併せて御理解賜りますようお願い申し上げます。

 次に,2点目の変化に合わせた再考をについてでございますが,現行の鈴鹿市しあわせ環境基本計画の計画期間が今年度末までとなっていることから,次期計画については,来年度からスタートするよう現在調整を図っているところです。
 鈴鹿市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)につきましても,鈴鹿市しあわせ環境基本計画の基本目標1に地球温暖化対策を記載し,区域施策編とリンクさせているため,同じ計画期間で推進していきたいと考えております。

 先ほども申し上げましたとおり,当該計画につきましては,現在パブリックコメントを実施しておりますので,パブリックコメントで頂きました御意見等につきましては,精査し,鈴鹿市環境審議会において調査,審議を行い,来年度に公表してまいりたいと考えております。
 また,社会経済情勢等の変化による国や県の上位計画の改定等があった場合には,計画期間は2030年度までの8年間としておりますが,必要に応じて内容を見直してまいりますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。

○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。
              〔17番 中西大輔君登壇〕

○17番(中西大輔君)
 検討していただけるということですので,取り組んでいただきたいと思います。
 その際になんですけれども,過去,私だけではなくて,いろいろな議員の方が地球温暖化対策や流域治水,気候変動ということに関して一般質問などで取り上げているものがあると思います。そのような情報についても,審議会の委員の方々に,大項目,中項目ぐらいでも結構ですので,提供していただいて,一緒に考えていただくことが必要と考えますが,その点,取り組んでいただけるかどうか,お聞かせください。


○議長(宮木 健君) 環境部長。

○環境部長(鈴木佳明君)
 再度の御質問に答弁申し上げます。
 過去に,地球温暖化対策,流域治水,気候変動などに対して一般質問で取り上げられた内容について,環境審議会の委員の方に情報提供し,取り組んでもらえるのかについてでございますが,一般質問で答弁した内容は,市としての考え方を示したものであることから,御指摘いただいた部分につきましては十分吟味し,市の考え方を整理しまして,次回開催される鈴鹿市環境審議会に提示し,調査,審議していただくようにしたいと考えておりますので,よろしくお願いします。

○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。

○17番(中西大輔君) ありがとうございます。最後の論点,これからいろいろな計画策定に入ると思いますが,共通のことと捉えていただければなと思います。