2022年 2月(代表質問)
3.都市の在り方について
(「大切な命と暮らしを守るまち」と「自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち」と「活力ある産業が育ちにぎわいと交流が生まれるまち」に関連して)
 (1) 防災と気候変動に対する考えについて
 (2) 都市計画とインフラ、公共交通について
 (3) コロナ後の観光について  


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○17番(中西大輔君)

 それでは,大項目の3点目,都市の在り方について質問させていただきます。
 内容としては,大切な命と暮らしを守るまちと,自然と共生し快適な生活環境をつくるまち,活力ある産業が育ち,にぎわいと交流が生まれるまちに関連することになります。
 南海トラフ地震や風水害,土砂災害に備えて,さらなる防災・減災対策を推進されると施政方針の中でおっしゃられていました。このような大規模災害への備えについてですが,昨年9月,国土交通省から,総力戦で挑む防災・減災プロジェクト第2弾が公開されています。これらのような国の考え方については,どのように反映されているのでしょうか。

 また,市長の言葉の中では,風水害,土砂災害という表現になっていましたが,さきの資料の中では,主要施策の2の部分で,気候変動の影響を反映した治水計画等への見直しがありますし,気候変動適応計画の策定といったことも国のほうでは動いています。また,海外では,一般的にクライメイト・チェンジということで,気候変動というほうがよく使われるのかなと思うところです。そして,せんだって火山の噴火がありましたが,それによって短期的に寒冷化の可能性も考えられるというふうに考えると,温暖化と,ただ単に表現するよりは,やはり気候変動という言葉を用いて気象災害に関係する対策を考えることが,現在の流れかと考えます。
 防災と気候変動について,市長の考えをお聞きしたいと思います。

 公共交通について,持続可能で利便性の高い地域公共交通ネットワークの構築に触れられていましたが,お聞きした中では,手引きの作成など移動手段や手法の部分が強いかと感じました。
 現在パブリックコメント中の鈴鹿市地域公共交通計画の中では,将来のネットワークイメージという部分がありまして,そこでは,都市マスタープランにおける都市拠点や集客拠点,また乗り継ぎ拠点を設定した考えが示されています。有名なところでは,富山市のコンパクトシティ政策の中で,お団子と串というふうに表現される政策があるのですが,今回の計画の中でも交通の結節点となる拠点部の整備や充実ということも検討されているのだろうとは思いますが,その点について触れられていませんでしたので,都市計画と公共交通の関係について,市長の考えをお聞きしたいと思います。

 そして,3つ目の点についてなんですけれども,観光になりますが,新型コロナの影響から考えると,やはり今後も感染症のリスクというのは,常に人の移動に伴って考えられるところだと思います。
 また,冒頭に申しましたが,ロシアのウクライナへの侵攻など国際的に不安定要素が多くなる中,海外からの誘客については,数年は大規模な移動というのは想定しにくい状況になるのかなというふうに懸念するところです。その中で,鈴鹿8耐やF1をはじめとしたモータースポーツなど,エネワンであったりとかいろいろあるわけですけれども,これまでそのようなモータースポーツであったりイベントを通じて,これまで鈴鹿市に関係を持っていただいている方々や特別な意識をお持ちの方,また新たに鈴鹿につながりを持とうとしていただく方など,国内の方々へのアプローチが重要と考えます。
 今後の観光について,市長の考えをお聞きしたいと思います。
 以上です。

○議長(森 雅之君) 市長。
               
〔市長 末松則子君登壇〕
○市長(末松則子君)

 それでは,都市の在り方についての御質問に答弁申し上げます。
 近年,気候変動の影響から全国的に激甚な洪水氾濫や土砂災害が頻発しており,本市におきましても,このような災害を想定し,平時のうちに対策を講じていくことが求められています。
 気候変動の影響による被害の防止・軽減を図り,安全安心で持続可能な社会を構築するためには,自然災害をはじめ,農林水産業,経済産業など,あらゆる分野での対応が必要です。
 自然災害への対応としましては,国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所が中心となって設立いたしました鈴鹿川流域治水協議会に参画し,鈴鹿川の流域全体を広い視野で把握し,関係者が一体となって推進する流域治水に取り組んでおります。今後も三重河川国道事務所をはじめ,林野庁や水資源機構,県の関係部署などと連携を図り,流域治水対策を総合的かつ多層的に進めてまいります。
 また,2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進するため,鈴鹿市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を令和4年度に策定しますが,気候変動適応計画の要素も含めた計画として策定いたします。
 この計画の中で,気候変動については,その対応や対策を検討するに当たり,多岐にわたる分野に影響がございますので,庁内横断的に検討を図り,まとめてまいりたいと考えております。

 次に,都市計画とインフラ,公共交通についてでございます。
 鈴鹿市都市マスタープランでは,都市づくりの方針のコンパクトで住みよい都市づくりにおいて,都市拠点に医療・福祉施設,商業施設等の都市機能の立地誘導を図ることとしており,また,モビリティーの高い都市づくりにおいて,都市拠点,住宅地,集落等とのネットワーク形成に有効な公共交通手段の在り方について検討することとしております。
 このことから,新たに策定する鈴鹿市地域公共交通計画では,方針の1つとして,持続可能な地域公共交通ネットワークの構築に向けた維持,改善を掲げておりますが,利用実態やニーズ等を踏まえ,C−BUSの運行を維持し,必要に応じて路線の見直しを行い,拠点間における地域公共交通ネットワークを形成してまいります。
 さらに,方針の2つ目として,多様な移動ニーズに対応した地域公共交通の確保を掲げておりますが,新たな移動手段の検討,導入に向けた手順やルール,行政による支援の内容等を示した手引書を作成し,地域が取り組みやすくなるよう環境整備に努めることで,持続可能な地域公共交通ネットワークの形成を目指してまいります。

 最後に,コロナ後の観光についてでございます。
 国では,アフターコロナを見据えた地域経済の発展に向けて,観光客数だけでなく,観光消費額にも着目し,観光産業により,地域の活性化や文化,環境の保全,再生につながるサステナブルツーリズムの実現を成長戦略として掲げております。その中で,インバウンド需要の掘り起こしやビジネス客に観光していただく新たな旅の形は,地域が潤う新たな旅行機会の創出に向けた手段の1つと捉えることができます。
 本市におきましても,インバウンドに向けたバーチャルなeモータースポーツとリアルな国際レースの融合により,モータースポーツのまち鈴鹿の魅力を海外からの旅行者だけでなく,国内の旅行者に向け,発信する取組を進めてまいります。

 さらには,本市は,市外からのビジネス客がたくさんお越しいただきますので,交通の拠点であり,宿泊施設も多い主要駅周辺での短時間滞在の見る・食べる・体験するなど比較的小さな範囲でのツーリズム等を検討し,ビジネス客を中心に,観光産業に取り込み,アフターコロナの出口戦略としてまいりますので,よろしくお願い申し上げ,私の答弁とさせていただきます。