2022年 2月(代表質問)
2.子どもと福祉を問う
(「子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち」と「みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち」に関連して)
 (1) 施設整備で将来も含めた市民視点はどうなっているか
 (2) 学びのDXで取り組む主体的で対話的な学びとはなにか
 (3) 地域共生社会と重層的支援体制の実現について


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○17番(中西大輔君) 
 それでは,大項目の2つ目,子供と福祉の部分について質問させていただきます。
 大木中学校の改築や白子中学校の長寿命化改修,千代崎中学校の改築など,今回多くの施設整備に触れられていますが,それらの施設を利用することになる将来の市民,次世代の視点や意見を取り入れることや,将来の鈴鹿市の在り方,価値の創造という観点は入っているでしょうか。
 設計されていたり,早期の着手が望まれていても,やはり長寿命化と改築の,それぞれについて将来のトータルコストも含めた検討,比較が必要と考えますし,将来の利用価値やまちの価値を考えた柔軟な検討が大切だというふうに考えるところです。どのような検討をされたのかも含めて,市長の考えをお聞きしたいと思います。

 次に,学びのDX,デジタルトランスフォーメーションについて,ICT機器の活用は重要と考えますし,実際,中学校社会の授業を見学させていただいた際の活用事例を見ても,その有用性というものについては,私も実感するところです。
 そこで,学習の手段,道具としてのICT機器ではなく,主体的で対話的に深く学ぶことができる人材育成につなげるという部分について,どのような教育内容を想定されているのでしょうか。学びをデラックスにするためにも,市長の考えをお聞きしたいと思います。

 「みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか」に関係することですが,重層的支援体制の構築と地域共生社会の実現を目指すことに触れられています。
 ただ,鈴鹿市の福祉計画の最上位計画となる鈴鹿市地域福祉計画についてですが,関連の個別計画が,幾つか先行して策定されている中,施政方針のほうでは,こちらの計画について,どのように考えられているのかが触れられていませんでした。
 しかし,今後,特に地域の考えなどのすり合わせを行うことを考えると,鈴鹿市地域福祉計画について,早々に多様な主体の方々の参画で検証を行って,修正または改定作業に取り組むべきというふうに考えるところです。
 重層的支援体制の構築と地域共生社会について,市長の考えをお聞きしたいと思います。

 同じ部分で,鈴鹿市社会福祉協議会との連携を述べられていましたが,8つの地域包括支援センターの位置づけは述べられていませんでした。今年は,民生児童委員の皆さんの改選もあり,地域福祉の在り方に重要な年と考えますので,その部分が気になるところです。
 今後,各地域づくり協議会と連携しながら,地域福祉の充実のためにどのように地域包括支援センターを位置づけるのか,支援も重要と考えますので,それらの点について,市長の考えをお聞きしたいと思います。
 以上,子供と福祉に関連する部分について,市長の考えをお聞かせください。

○議長(森 雅之君) 市長。

               〔市長 末松則子君登壇〕

○市長(末松則子君)

 それでは,子供と福祉に関する御質問について,答弁申し上げます。
 学校施設につきましては,老朽化が進行しており,安全安心な学校施設環境の確保と教育環境の資質向上を目指し,鈴鹿市公共建築物個別施設計画等に基づき,長寿命化改修を基本に施設整備を行ってまいります。
 また,計画の推進に当たりましては,将来の人口推移,維持更新コストなど,将来への視点を持って取り組んでまいります。

 学校施設につきましては,児童生徒の学習と生活の場だけではなく,地域活動の場や避難所としての機能も併せ持っておりますので,まちづくりの在り方とは,密接に関わっているものと認識しています。そのため,学校施設の長寿命化改修等の事業を実施する際には,学校,保護者,地域の方々で構成されております学校運営協議会の場を活用し,適切に情報提供をするとともに,丁寧な説明を行ってまいります。さらに,児童生徒にとって,校舎が改修されるということは,学校環境について自ら考える貴重な機会であるとともに,学校に対する愛着を育むことにつながると考えております。各学校には,それぞれ,特有の課題がありますので,学校からの要望を基に児童生徒の意見も参考にしながら施設整備に取り組んでまいります。

 次に,学びのDXについてでございます。
 未来を生きる子供たちにとって,複雑で予測困難なこれからの社会においては,何が重要かを主体的に考え,情報を活用しながら他者と協働し,課題の解決に向かう力を育むことが重要であると考えております。そのためには,ICT端末は必要不可欠なツールであり,端末を文房具としてフル活用し,誰一人取り残すことのない学校教育活動の充実を図る必要がございます。ICTを活用して,空間的・時間的制約を緩和することにより,地域の機関や外部人材と連携した学習や不登校児童生徒や病気療養児に対する学習指導,臨時休業時におけるオンラインを含む家庭学習など様々な状況にある子供たちの学びや多様な考えに触れる機会の充実が可能となります。
 しかしながら,ICTは子供たちの学びを支える道具であり,どう活用するかが重要でありますので,環境の整備だけではICTを活用した学習を実現できるものではございません。情報活用能力の育成に向け,まずは子供たちが必要に応じてコンピューター等の情報手段を適切に扱い,探求に学ぶ力を身につけることが重要であると考えております。その上で,子供たちが情報技術を学習や日常生活に生かすことができるようICTを適切に活用してまいりたいと考えております。

 次に,地域共生社会と重層的支援体制の実現についてでございます。
 住み慣れた地域で自分らしく暮らしていけるよう地域の方々がお互いに支え合い,地域を共につくっていくことのできる地域共生社会の実現は,地域福祉を推進する上で重要な目標であると認識しております。
 また,本市では地域福祉を推進するための基本理念と方向性を定めた第2期鈴鹿市地域福祉計画に基づき,関連する各分野の計画とも連携し,様々な福祉課題等への取組を行っているところでございます。
 令和2年度の改定におきましては,包括的・総合的な相談支援体制の構築を重点項目とし,現在,その体制づくりを進めております。令和5年度には,計画期間が満了いたしますことから,次期計画の策定に向け,令和4年度より取り組んでまいります。
 策定に当たりましては,社会福祉法の一部改正の趣旨を踏まえ,関係機関や地域づくり協議会などの意見等に基づき,本市における地域生活課題を明らかにした上で,福祉分野の上位計画として,位置づけてまいります。
 また,現在,多様化・複雑化する福祉問題や制度のはざま問題に対応するために,重層的支援体制整備事業への移行準備事業に着手しており,今後,第3期の計画策定と並行しながら,本格実施に向けて取組を進めてまいります。

 次に,地域包括支援センターについてでございますが,令和3年4月から地域づくり協議会の区域を意識し,日常生活圏域を従来の4つの圏域から8つの圏域に拡充し,地域に密着した形で様々な相談支援が行われております。
 地域の福祉課題を把握して,解決につなげていくためには,地域における幅広い関係者との連携が不可欠でございますが,特に地域包括支援センターとの連携は,重要になってまいります。このため,本市が配置する相談支援包括化推進員を中心に,地域包括支援センターを含め,関係機関の方々と効率的で一体的な連携支援の仕組みが構築できるように取り組んでまいります。