2015年6月
「公共施設マネジメントを問う」

○5番(中西大輔君) 皆さん,こんにちは。議席5番,鈴鹿の風,中西大輔です。新しい期の議会発言として,一般質問,久々にやると,何か緊張しているんですけれども,御容赦ください。
 それでは,まず,いろいろ話したいことあるんですけれども,施政方針演説と代表質問のやりとりから感じたことなんですけれども,あれもこれもと言い過ぎているんじゃないかなということと,いろいろな項目があるんですけれども,例えば,地域包括ケアもあるし,まちづくりもあるし,都市マスもあるし,総合計画もあるんですけれども,それぞれがばらばらになってて,横につながってないという印象がありました。
 それともう1点,気になることなんですけれども,この質問にも関連することなんですけれども,会派長の後藤議員の代表質問への答弁の中で,質的に異なる社会的事象の発生が予想される,とあったんですけれども,これがどういうことを想定されているのかなということを考えました。
 この質的に異なる社会的事象というのは,多分,いろいろ,今,資本主義のこれからどうなるのかとか,そういうことも想定されているのかなということもありますし,今,火山の噴火とかあると,それで自然的な事象の大きな変化で,社会的事象が変化しているということを意味しているのかなと思いながら,ただ,そういうふうな話を聞きながらも,議論というのが,大体5年ぐらいのスパンの中の話で,10年,20年という長いスパンの考えじゃないように受け取れました。その点というのが,今回の質問にもかかわってくるところになってきます。
 それでは,通告に従い,今回は公共施設マネジメントと,それと市立体育館休館時の対応について,質問させていただきます。

 公共施設マネジメントにつきましては,2012年から重要な課題として,一般質問などでかなりしつこく取り上げさせていただいているわけですけれども,それは何にも置きかえることなく,鈴鹿市にとって,持続可能な社会として,鈴鹿市が成り立っていくために,非常に重要な課題だと認識しているからこそ,問うてきたわけです。
 ですから,私,今まで担当課のほうには,福井県坂井市の取り組みであるとか,千葉県習志野市の取り組み,名古屋大学のファシリティマネジメント講座など,いろいろなことを,情報共有をさせていただいております。
 さて,鈴鹿市公共施設マネジメント白書が公表されました。先ほどの一般質問の中にも出ておりましたが,この白書を作成したということについては,評価させていただきます。
 しかし,公共施設マネジメントの課題というものについては,その大きさとか重さ,それがまだまだ市民の方々に伝わっていないというふうに感じるところです。
 各種データなどを読み解いていきますと,鈴鹿市の人口,四半世紀後には約1万5,000人以上減少していくと予測されています。また,高齢者の方々がふえる片方で,生産年齢人口が減少していくという動きになっている。これは,税収が減るということと,社会保障費などに対して,金額的な増大が伴うということになってくるわけですけれども,それだけではなくて,このように社会が変わるということは,当然のことながら,地域社会のいろいろな場面,また施策展開において発想の転換が必要になるということを示唆していることは間違いないところだと思います。
 そこで公共施設に関連してですが,今ある公共施設,また道路などのインフラというものは,鈴鹿市が人口20万人に向かっていく中でつくられてきたものです。ということは,これから人口が減少していくということは,当然のことながら,余分になってくるものが出てくる。余分になる資産が出てくることは避けられないということが,今,取り組まれていることの大きな課題になってきます。
 その中で,私たちが取り組まなければいけないものは,つまり,次の世代のために,地域社会を身の丈に合った形にしていく必要に迫られているということが,一番重要なことです。これが,地域の持続可能性ということに,非常に重要なものになってくるというふうに,私も考えております。
 そこで,今回の質問は,公共施設マネジメントについて,特に危機意識の共有という点をポイントにしております。
 この危機意識という言葉なんですけれども,実は,フェイスブック上で,和光市の松本市長とお友達にならせていただいているのですが,その中で,松本市長が和光市議会さんに対する挨拶の中で言った言葉というのがあります。それが何かというと,「特に強調して申し上げたいのは,正確な事実関係の共有とともに,危機意識を共有していただきたいということです。公共施設のあり方を考える出発点,原点をそろえることにより,今後の実りある議論ができるものと考えております。」ということを話されたということです。このことは,松本市長に一応,確認はとってますので,このように話されたということです。
 このような点ということは,鈴鹿市にとっても,今後の取り組みにとって,重要な指針になってくるのではないかなというふうに考えるところです。
 それでは,こちら,公共施設マネジメント白書の中身から取り上げていきます。

資料1,映写してください。
〔資料をスクリーンに示す〕
 これは,マネジメント白書の2章から引用しているものになりますが,マネジメント白書については,冊子だけではなくて,ホームページ上に公開されていますので,ページ数特に申しておりません。
 このグラフ,人口について,20年後は約6,000人減少して,30年後は約1万6,000人減少と予想されていると。30年後というのは,生産年齢人口が約2万5,000人減少する一方で,65歳以上人口が1万5,000人増加していきますということが書かれております。次の資料を映してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕
 この資料は,2章のポイントについて書かれてありますが,上半分のところにそれが書かれておりますが,ここの中で注目していきたいのは,「歳入は景気動向によっても左右されますが,右肩上がりの伸びは期待できません。」,もう一つ,「公共施設に投じる支出が,今までの水準で継続すると考えてはいけません。」というふうに出ております。それでは,資料3のほうに移ってください。
            〔資料をスクリーンに示す〕
 こちら,マネジメント白書第3章からの引用です。
 映写の資料については,公共施設の更新費用のところだけになっておりますが,こちらの本書のほうにつきましては,インフラについての記述もあります。
 インフラについても,維持と更新に大きな費用がかかるということが説明されております。次の資料を映してください。
〔資料をスクリーンに示す〕
 そして,こちらが3章におけるポイントになりますが,まず,一番下のほうに書かれておりますが,3章のポイントでは,将来更新費用について,「現在保有する施設を維持していくだけでも,平均して年20億円以上が追加で必要となる。」,そして,「インフラの更新費用も直近の投資水準を上回る見込み。」,と書いてあります。もう一度,資料3の上のほうに戻っていただけますでしょうか。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちら,黄色で塗りつぶしてありますが,ここに書かれてあることは何か。ここのポイントですね。ここの中では,「追加の財源を確保できない場合,約4割の施設は維持できないということになります。」,というふうに表現されております。
 つまり,今ある公共施設を全て維持更新していこうとすれば,直近5年間の平均予算に加え,さらに年20億円以上の財源を捻出しなければいけない。財源を捻出できなければ,約4割の施設維持が難しくなるということが書かれてある。
 ここに,当然ながら,インフラのほうも膨大な金額がかかるということが書かれております。インフラも,非常に大きな課題がある。これが,今,鈴鹿市が直面している現実だということを,しっかり認識していく必要があると思います。
 つまり,このような公共施設の課題については,自治体の持続可能性に対して,大きな課題であって,危機,つまりリスクだと,一人でも多くの方が認識すべきだと思います。先の統一地方選ですが,この点,論点としては余り浮かび上がっていなかったように感じます。しかし,今,この3月に公表した後,鈴鹿市は,一人でも多くの市民の方々に,この公共施設マネジメント白書の中に書かれていることについて,周知を図るべきと考えますが,現状の考えと取り組みをお聞かせください。

              
〔資料の提示を終了〕

○議長(大杉吉包君) 企画財務部長。
           〔企画財務部長 杉野浩二君登壇〕
○企画財務部長(杉野浩二君) それでは,中西議員の御質問に答弁いたします。
 本市では,平成25年9月に作成した,公共施設マネジメント推進方針に基づき,まずは,いわゆる箱物を主体とした公共施設マネジメントに係る取り組みを進めてきており,その一環として,平成27年3月に公共施設の現状や課題を明らかにした,鈴鹿市公共施設マネジメント白書を作成したところでございます。
 本白書作成に当たりましては,先進自治体の事例研究等を行い,公共施設の現状を把握するため,施設カルテを整備し,施設類型別や行政区別に,公共施設の現状を分析し,課題を整理いたしております。
 まず,公共施設マネジメント白書から見えてくる,本市の公共施設の現状や課題についてでございますが,大きく3点に整理しております。
 1点目は,人口減少・少子高齢化,生産年齢人口の減少などから,今後,歳入の大幅な増加は見込めないこと。
 2点目は,本市が保有する公共施設については,耐震化は進んでいるものの,約半数が築30年以上であること。
 3点目は,現在保有する公共施設を,今後,維持,更新していくためには,これまで整備に要していた平均年間経費,約30億円に加えまして,さらに約20億円以上の経費が必要と試算されていることなどでございます。
 本市では,こうした厳しい現状を踏まえて,今後,ますます多様化する市民ニーズに対応し,行政サービスを維持していくためには,市民の皆様とともに,公共施設マネジメントについて考え,計画的に推進していくことが大変重要なことであると考えております。
 市民の皆様の生活に密着した行政サービスについて,大きな政策転換をし,施策を展開していく過程においては,市議会での活発な御議論とともに,市民の皆様の合意形成が必要でございます。
 このことからも,まずは,これら公共施設マネジメント白書から見えてくる,本市の公共施設の現状と課題について,わかりやすく,丁寧にお知らせすることが必要であると考えております。
 そこで,議員の皆様には,平成27年3月に本白書を作成してすぐに,その概要を報告させていただき,その後,速やかに,本市ホームページにおいて,白書本編と概略版を掲載させていただき,市民の皆様に公表させていただいたところでございます。
 このほか,公共施設マネジメントの取り組みについて,広報すずかへの掲載や,市庁舎内でのパネル展の実施に向け,現在,準備を進めているところでございますが,今後とも,市民の皆様の御関心と御理解を,より一層深めていただくため,さまざまな機会を通しまして,定期的かつ継続的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
             〔5番 中西大輔君登壇〕
○5番(中西大輔君) ありがとうございます。
 私も,この公共施設マネジメント,公共施設の維持更新については,別に危機感をあおるというつもりはなくて,あくまで現実をしっかり見据えた上でなければ,将来的なことがしっかりと取り組めない,だからこそ,市民の方々に伝えるべきだというふうな趣旨で質問させていただいております。
 そこで,確認でお聞きしたいのですが,ちなみにこの公共施設マネジメント白書,これの実際に印刷した冊子自体は,何冊作成して,どこに配布されているのか,念のためにお聞かせください。


○議長(大杉吉包君) 企画財務部参事。
○企画財務部参事(鈴木謙治君) この白書につきましては,100部を作成させていただいております。
 配布させていただいたのは,まず庁内での情報共有がまず必要だということでありまして,議員の皆様と部長連絡会議構成員の皆様に対しまして,配布をさせていただいております。
 以上でございます。

○議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
             〔5番 中西大輔君登壇〕
○5番(中西大輔君) その点については,これから取り組まれると思うんですけれども,地域防災計画でしたか,あちらのほうは,各自治会まで配られている形だったと思いますが,せめて,きちんと市民の方々の目につくところに置いて,啓発していくことが必要ですし,やはりそのようなものがなければ,なかなかわからないということだと思いますので,しっかり取り組んでいただくように,つけ加えさせていただきます。
 それでは,次の論点に移りまして,財政課題についてお聞きしたいのですが,資料5,映写のほうをお願いします。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらのほう,総合計画2023というふうな名前になりましたが,こちらのほう,策定の際に,資料として配布された鈴鹿市経営環境診断の中にあるグラフですが,こちらのほう,上の地方債残高の推移というグラフを見ていただくと,こちらのほうでは,建設などに関係する普通債の発行を減らしていく一方で,臨時財政対策債による借入金がふえていくと。そのバランスをとりながら,借金の増加は抑えてますよというふうなことが,このグラフから見てとれるわけです。
 ちなみに,普通債のほうは当然,抑制され,建設とかは少なくなってくるので,何か道路が,余りつくってもらえへんなとか,そういうことにもつながってくるんじゃないかなと思うところです。
 逆に,注目したいのは,下の臨時財政対策債のほうなんですけれども,こちらのほうは,一応,名目上,国のほうが地方交付税について,払い切れない部分を借りていいよと,後で地方交付税で充てるよというふうな趣旨の部分があると思いますが,こちらのほう,地方の借金である一方で,今言ったような形で,国の地方交付税の立てかえというふうな見方もあります。
 もう一つ,普通債では借りられない部分の歳入不足について借りているということで,赤字地方債という見方もあるということが,この臨時財政対策債になります。
 国からの地方交付税,臨時財政対策債というところから,次の資料6のほうに移ります。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちら,財務省のホームページから引用させていただいたものです。これは,平成27年度の国の収入についてのグラフになっておりますが,この中で,注目していただきたいのは,グラフですと見にくいのですが,一般会計の歳入総額100%の中で,特例公債という部分が32%を占めております。
 特例公債というのは何なのというふうなことになってくるわけですが,これは,簡単に言えば赤字の国債,赤字の借金ということですね。国のほうも,これがなければ回っていかないというのが現実だということです。
 この特例公債というのが,地方交付税と関係していることが,表になってわかりやすくなったのが2012年,この特例公債法案が通過しなかったことによって,地方交付税の遅配ということが起こったことから見ることができました。次の資料を映してください。
〔資料をスクリーンに示す〕
 会派長の後藤議員の代表質問にもありましたが,国の1,000兆円を超えた借金というのは,この特例公債の分が,平成8年以降,急激に積み上がった結果,国と地方を合わせて1,000兆円超えちゃったということですし,その結果,GDP国民総生産の2倍を超えちゃったということになっているわけです。こんな国っていうのは,世界を探しても,先進国にはないという状況ですが,このようなことを考えていくと,今後,鈴鹿市の財源ということを考えていったときに,地方交付税など,国からの資金を当てにしていくということは,どんどん厳しくなるんじゃないかということが予想されます。
 また,平成27年度の予算編成においても,鈴鹿市が予算立てをするときに,生産年齢人口の減少ということ,ほかにも理由はありますが,生産年齢人口の減少ということから,税収減を予想したわけですね。予測して予算立てをしてきた。
 ということは,これから鈴鹿市の財政運営というのは,今後,難しい局面に入っていくと考えるところなのですが,その点についての考え方をお聞かせください。
              〔資料の提示を終了〕


○議長(大杉吉包君) 企画財務部次長。
○企画財務部次長(澤井正弘君) それでは,財政課題について答弁申し上げます。
 先ほど,議員の資料7の説明にもありましたが,財務省によりますと,平成27年度末の,国及び地方の長期債務残高は,1,035兆円となっており,対GDP比205%に達すると見込まれております。極めて厳しい状況となっております。
 このような状況の中,国の一般会計歳出における,社会保障関係費,国債費,地方交付税の三つの経費の占める割合は,総額の約4分の3となっており,その中の一つの地方交付税は,地方財政計画における,歳入と歳出のギャップを埋めるものであり,国・地方を合わせたプライマリーバランスを改善するためには,地方財政計画上の歳出を抑制していくことが最も重要としております。
 また,近年,地方が自由に使える一般財源は,実質的に同じ水準で推移しているとされ,本市におきましても,平成16年度から平成25年度の過去10年間を見てみますと,普通交付税算定時に示される,一般財源の標準的大きさである標準財政規模は,平均で約360億円,一方,財政調整基金からの繰入金を除いた一般財源の決算額は,平均で約390億円となっており,おおむね,同水準で推移しております。
 このように,国の地方財政計画や,本市の現状からも,今後,歳入の一般財源額の増加は見込めないことから,限られた一般財源の範囲内で,行政運営を行わなければならないこととなります。
 今後も,公共施設の維持管理費を含めました経常的な経費が増加傾向にある中,財源には限りがあることから,基金を有効に活用しつつ,全体の収支バランスを図りながら,財政運営に取り組む必要があると考えております。
 以上でございます。

○議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
             〔5番 中西大輔君登壇〕
○5番(中西大輔君) ありがとうございます。
 基金の有効活用といいましても,財政調整基金を余り取り崩し過ぎると,今度は大きな災害があったときの対応が厳しくなるということもあるので,その点については,いろいろ考えなければいけないところだというふうに思うところです。
 そこで,一つ確認でお聞きしたいのですが,このような公共施設というものが,自分たちの財政に対して過剰にあった場合に,よく,今,一番有名なところですと,北海道の夕張市なんですけれども,財政破綻ということが起こったりします。
 それだけではなくて,財政的に厳しくなって,いろんなことに手をつけなければいけなくなったのが,近隣市にもあるわけなんですけれども,もしそのようになった場合,過剰なものをもっていった場合に,財政が厳しくなったときに,どのような形で市民サービスに影響があるのか,簡単に教えていただけますでしょうか。


○議長(大杉吉包君) 企画財務部長。
○企画財務部長(杉野浩二君) 市民サービスが過剰になって,財政が厳しくなると,どのような影響が出るのかというような御質問でございますけれども,財政状況が厳しくなって,例えば,財政破綻した場合は,市民サービスに大きな影響が出るわけでございますが,財政破綻いたしますと,いわゆる財政再建団体というふうなことになりまして,国の管理下に置かれまして,国が認めた再生計画に基づいて,厳密な予算が組まれ,地域住民にも税負担の増加とか,それから市民サービスの低下など,そういった影響が出てくるというふうなことがいわれております。
 このような事態にならないためにも,特に,将来の人口減少社会の進展を見据えたまちづくりを推進していく上におきましては,公共施設の総量規制も含め,公共施設マネジメントに取り組んでいくことが必要でございまして,これと並行いたしまして,歳出の抑制に努めることや,市債残高をふやさないように努めることなど,財政規律を堅持した,行財政運営が必要であるというふうに考えております。
 以上でございます。

○議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
             〔5番 中西大輔君登壇〕
○5番(中西大輔君) ありがとうございます。
 使い過ぎちゃうと,結局,後で,次の世代,子供たちに対してつけを回しちゃうと大変なことになるということがわかりましたので,ありがとうございます。それでは,次の論点,資料8のほうを映していただけますか。

〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらのほうが,マネジメント白書の第4章,今までの2章,3章,いろいろなことを受けて,大体,結論として出てきているものですが,ここでは,この資料の中では,まず,公共施設マネジメントの大きな方針として,保有量の適正化,運営管理の適正化,長寿命化の推進というものが出されています。
 保有量の適正化というのは,先ほどからちょっと話出てますが,今のままだったら,4割,もしかしたら維持できなくなるかもしれない。4割じゃなくても,最低,何割かは削っていかないといけないということが,今,先ほどの議論の中でも見えてくることです。
 そして,長寿命化の推進というのは,聞こえがいいんですけれども,これ,ちょっといじわるな言い方をすると,問題先送りしちゃうということというふうにも言いかえられるかもしれないです。
 大きな施設を長寿命化しても,それは10年後,20年後には,本格的に建て直さないといけない時期がくるかもしれないと考えれば,そのように考えられるかもしれません。次の資料,映写してください。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらのほうは,工程として出されている部分ですが,結論から言いますと,平成28年度に,公共施設再編計画の作成であるとか,公共施設維持保全計画の作成ということが出ております。
 ただ,この一連の流れの中で,今までの答弁の中で,市民の方には説明させていただきますということがいろいろ,るる答弁いただいたわけですけれども,ただ,ここの中で書いてあるのは,実は,一番下の公共施設再編計画の作成,公共施設維持保全計画の作成の下に2行あるんですけれども,そこに,ちょろっと市民との関係が書いてあるだけです。
 しかし,この公共施設再編の過程では,一番問題になってくるのは何かといいますと,公共施設マネジメントに対する考え方,総論は賛成ですよ。でも,各論では反対ですよ。そうしないといけないというのはわかるけれども,私たちのまちのところは,そうしないでほしいとかという話が出てくるというのが,一番大きな課題だというふうに,よく聞きます。実際,習志野で取り組んでいる職員さんとお話ししたときも,やはりそういうところが一番大変だというふうにおっしゃられてました。
 そこで,鈴鹿市として,今後の取り組みの中で,このような部分,取り組んでいくに当たっては,どのような課題があると考えているのか,お聞かせください。
              〔資料の提示を終了〕


○議長(大杉吉包君) 企画財務部参事。
○企画財務部参事(鈴木謙治君) それでは,公共施設マネジメントについての今後の取り組みと,想定される課題について答弁申し上げます。
 先ほど答弁申し上げました,本市の公共施設の現状と課題を踏まえ,本市としては,公共施設マネジメント白書にも記載のとおり,保有量の適正化,運営管理の適正化,長寿命化の推進の三つの視点で取り組むこととしております。
 保有量の適正化については,公共施設の更新等に当たり,統廃合や複合化を視野に入れた検討を行うこととしております。
 特に,施設の複合化については,機能を重視し,施設の有効利用とともに,市民の皆様へのサービス提供の利便性を図るため,他団体の複合化の取組事例も参考にして,本市において,好ましい複合化のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 また,運営管理の適正化については,施設の利用状況を定期的に確認し,収支バランスの適正化に努め,民間の技術,ノウハウ,資金等の活用を積極的に導入してまいりたいと考えております。
 さらに,長寿命化の推進については,市民の皆様に,公共施設を安全に,安心して利用していただくため,予防保全的な観点から,計画的な点検と安全の確保に努め,施設を少しでも長く利用できるよう,取り組んでいくこととしております。
 一方,国においては,インフラの老朽化が急速に進展する中,新しくつくることから賢く使うことへの重点化が課題である,との認識のもと,インフラ長寿命化基本計画が策定され,こうした動きと歩調を合わせ,地方公共団体に対し,公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための計画として,公共施設等総合管理計画を策定することを要請してきております。
 以下,総合管理計画と申し上げますが,この総合管理計画では,本市の公共施設マネジメント白書が対象とする公共建築物,いわゆる箱物のほか,道路・橋梁などのインフラも含めた全ての公共施設等を対象に,老朽化や利用状況を初めとした公共施設等の状況,総人口,年代別人口についての今後の見通し,公共施設等の維持管理・修繕・更新等に係る中長期的な経費の見込みや,これらの経費に充当可能な財源の見込み等を,客観的に把握・分析するとともに,これらの分析結果等を踏まえ,全庁的な情報管理と共有を図り,更新・統廃合・長寿命化など,公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な考え方を示すこととされております。
 本市においては,この総合管理計画を,今年度中に策定する予定としておりますが,その策定過程におきましては,市民の皆様への積極的な情報提供を行い,適切な方法を用いて,広く意見を募集していくこととしております。
 さて,今後の取り組みに当たっての課題についてでございますが,先ほど答弁申し上げましたとおり,本市の歳入については,今後,大幅な増加が見込めないことから,公共施設のトータルコストの縮減や,財政の平準化が必要となってまいります。
 現在,本市が策定中の,(仮称)「鈴鹿市総合計画2023」や,鈴鹿市都市マスタープランなどにおいても想定されているように,将来のまちづくりは,大きな転換の時期に来ております。
 このようなことから,人口減少社会を見据えながら,さまざまな取り組みの中で,公共施設の適正管理に努め,市民サービスの低下を招かぬよう,適正かつ適切な行財政運営を進めていくことが重要でございます。加えまして,公共施設マネジメントを円滑に推進していくためには,機動的な組織体制も必要と考えております。
 さらに,市民の皆様に御利用いただいている公共施設について,今後,個別に,更新・統廃合・長寿命化などが具体化されていく場合に,いかに,市民の皆様との合意形成を図っていくかも,大きな課題であると考えております。
 このことから,公共施設マネジメントを円滑に推進していくため,これまで申し上げました課題について,十分検討し,今後も,安定的,継続的な行政サービスが提供できますよう,取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
             〔5番 中西大輔君登壇〕
○5番(中西大輔君) ありがとうございます。
 この課題に取り組んでいくためには,機動的な体制をとっていかないといけないということもよくわかります。
 なぜなら,一つの例を挙げれば,学校施設にしても,老朽化してきますと,公共施設マネジメントします。でも,学校施設は,それだけでは済みません。どのように配置していくかという問題,当然,出てきます。
 学校施設をどうやって配置していくかということは,当然,それはまちのあり方にも関係してきます。横断的な部署で,しっかり考えていかなければ,鈴鹿市のまちは,これまでと同様に,まとまりのないことになります。
 逆に言えば,しっかりすれば,魅力的なまちづくりになるという可能性がありますので,その点をしっかり考えていただきたいなと思います。
 そこで,今,申し上げたことに加えて,この公共施設マネジメント白書について考えていただきたいことですが,このマネジメント白書の中には,以前にも質問したことありますが,床面積100平方メートル以下の施設は,たしか入ってなかったと思います。そのことがどういうことを示しているかというと,鈴鹿市が今,いろいろ,これは鈴鹿市が取り組む課題ですよといっている,学童保育の施設などがここに入ってきてないということになってきています。
 そのようなことも踏まえながら,鈴鹿市として,どのような公共施設の維持更新のあり方,マネジメントのあり方を考えていくのかということが,非常に重要だと思うのですが,残念ながら,施政方針演説での関連部分というのは,その部分,危機意識が薄いかなと感じたのですが,この公共施設やインフラの維持更新ということについて,市長の意思はどのようなものかということをお聞きしたいと思います。お願いします。


○議長(大杉吉包君) 市長。
○市長(末松則子君) それでは,再度の御質問に,答弁を申し上げます。
 我が国における公共施設の多くは,昭和40年代の高度経済成長期から昭和50年代にかけて整備されたものでございますが,本市の公共施設につきましても,その多くはこの時期に建設されたものでございます。
 これらの施設の耐震化率につきましては,現在,99.3%でございまして,全国平均の約80%に比べますと,その対応は進んでいるものと考えてはおりますが,公共建築物の約5割が築30年を超えており,また,そのうちの約8割が,学校教育系施設と公営住宅で占められている状況でございます。
 また,従来の右肩上がりの時代から成熟した社会へ移行し,少子高齢化により,人口構成が変わり行く現在,市民の皆様のニーズに対応ができているかを再検討する時期に差しかかってきております。
 そのため,今後は,新しくつくることから賢く使うことへの重要な課題認識のもと,公共施設のトータルコストの縮減,財政の平準化を進めるほか,公共施設の適正管理に努め,市民サービスの低下を招かぬよう,これまで以上に,適正かつ適切な行財政運営を進めてまいりたいと考えております。
 また,公共施設の現状と課題を踏まえ,今後の施設の更新・統廃合,長寿命化などの取り組みにつきましては,市民の皆様との合意形成が,大変重要でございます。
 このことから,これらの取り組みの推進に当たりましては,広報や情報媒体を活用しての周知を初め,タウンミーティング,住民説明会など,さまざまな手法を用いて,説明をさせていただく時間を,十分に確保し,しっかりと議論を重ねてまいりますとともに,市民の皆様,議員の皆様と一緒に取り組んでいくことが,今後の鈴鹿の未来づくりにつながると考えております。
 また,先ほどの学童の放課後児童クラブの問題も,これから大きくかかわってこようかと思います。有効に,ある施設を現在も活用させていただいておりますけれども,なお一層,地域の状況を見ながら,地域の皆様方との話し合いを進めていく中で,そういったことも,視野,観点にしっかり取り入れながら,取り組んでまいりたいと考えておりますので,どうぞよろしくお願いをいたします。

○議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
             〔5番 中西大輔君登壇〕
○5番(中西大輔君) ありがとうございます。
 説明していただけるということですので,ここでもう一つお聞きしたいんですけれども,平成19年ごろですか,松阪市,救急医療がピンチになったときに,その当時の市長さんが,ケーブルテレビで,これは危機なんですということをPRされたという事例がありました。
 また,習志野市の取り組みでも,公共施設マネジメントのシンポジウムで,市長さんが直接,自分でこの財政状況はこうですということを説明されているわけですけれども,末松市長は,その点について,御自分で何らかの形できちんと説明されることを考えるのかどうか,それだけお聞かせください。


○議長(大杉吉包君) 市長。
○市長(末松則子君) その状況に応じまして,私自身,みずから説明させていただく機会も設けていかなければならないというふうにも考えておりますので,またよろしくお願いしたいというふうに思います。