2011年6月定例会一般質問

「駅の多機能化について」(近鉄伊勢若松駅)

○25番(中西大輔君)
 議席番号25,すずか倶楽部,中西大輔です。
 新しい,きのう議会になりまして,緊張感ある中なんですけれども,新体制の議会と新市長と,これからどのような形で,いわゆる二元代表制が進んでいくのかというところですね。非常に期待するところですし,議会の求められるものも非常に大きくなってくる。
 市長は,今回,代表質問,また,これまでの一般質問の中でも,議会先進県としての三重県ということを挙げられておりましたが,やはり地方議会の中でも, 三重県議会が先進的であることは否定しませんが,地方議会における,やはり基礎自治体としての,この市・町と県議会というのは,やはり位置づけが違うもの ではないかと,私は考えます。
 また,二元代表というのは,手をとり合ってということではなくて,機関競争の上で進んでいく,首長と議会が,それぞれ政策であったり,チェック機能であったりとかを議論の上で働かせていくことが重要であると考えております。
 それと,いろいろ答弁の中で出ている中で,危機管理ということが出てて,非常に感慨深かったんですけれども,実は2年前の6月議会で,私,危機管理について,一般質問させていただいております。その際に,単純に災害だけではなくて,ほかの,いろいろな経済的なリスクであるとか,そのあたりも含めた形での 危機管理室の設置ということを訴えまして,松原副市長が答弁いただいたことを思い出しまして,非常に感慨深いなというふうなところです。

 それでは,今回は,3点について,質問させていただきます。
 まず,1点目に,駅の多機能化について,2点目は,街区整備地周辺環境について,三つ目に,市庁舎分煙の徹底についてという3項目で,質問のほうを行わせていただきます。
 まず,駅の多機能化ということについてなんですけれども,駅の多機能化,駅というのは,単に乗りおりをする場所ではなくて,やはり私たちの市民生活とのかかわりから,また,公共交通の活用,これからの鈴鹿市の活用を考えても,どのように鉄道駅を活用していくかということは,避けて通れない現実ではないかと考えます。やはり重要な視点の一つではないかと考えます。
 その際,駅を単純に,先ほども申しましたが,乗りおりだけの存在とせず,周辺地域の条件なども加味しながら,いろいろな機能を持つようにしていくという ことは,鉄道駅というのは,基本的に鉄道事業者の管理地でありますよというふうな考え方もあるでしょうが,自治体にとって,その町に住む住民だけでなく, 観光で訪れる方々にとっても非常に重要な課題であり,自治体は積極的にかかわっていくべきところではないかと考えます。
 そこで,鈴鹿市には,JR,伊勢鉄道,近鉄と3線鉄道が通っておりますが,今回は,その中でも近鉄線に着目して,質問のほうを進めさせていただきます。
 その近鉄線,いろいろ駅ありますが,やはり機能を複数持たせることが望ましいと考えられるのは,やはり特急停車駅であるところの白子駅,もう一つは,こ の市庁舎のある神戸,また,商業の中心と言われる,牧田のほうに入っていく鈴鹿線の乗りかえ駅になる伊勢若松駅ではないかと考えます。
 白子駅につきましては,現在,駅前広場再開発事業が入っておりまして,その点については,いろいろまた,検討するところもあると思います。どのように事業が展開されていくのかどうかというのは,やはり観光面にとっても,非常に重要なところではないかと考えます。
 さて,この二つの駅なんですけれども,その乗りかえの駅だけではなくて,多機能化ということを考えたときに,やはり重要である視点というのが出てくると 思います。これは,今回,さきの東日本大震災の津波災害に関連して,避難ビルであるとか,いろいろな視点ということが,多々質問の中にも出てきております が,そのことというふうな視点というのは,入れていくべきであろうと思います。
 津波だけではなくて,この白子駅,伊勢若松駅というのは,当然,海岸に近いですから,台風時の高潮であるとか,その点についても視点,十分に入れていく必要があると,私考えます。つまり,海岸線での高台的な存在,避難地として考えていくことが重要ではないかと考えます。
 また,もう一つ重要なことは,当然,その駅というふうなところ,白子駅が観光の拠点である,また,日常の乗降者数も多いところであるという点。伊勢若松駅につきましても,日常の乗りかえ駅として,非常に大きなウエートを占めている。また,周辺には観光素材があるということからしますと,そのような場所で の観光客や,また,観光客だけではなくて,鈴鹿市に住む方々,また,周辺地域の方々に対しての情報発信の拠点としての位置づけということも,非常に大事になってくる,そのように考えます。
 それらを踏まえながら,今回の質問では,論点をあえて伊勢若松駅に絞らせていただきます。
 というのも,資料1,映していただけますでしょうか。
              〔資料1をスクリーンに示す〕

 さきの3月議会で,私,鈴鹿市における地域公共交通の結節拠点として,近鉄伊勢若松駅を取り上げましてバリアフリー化,おくれているバリアフリー化を提 言させていただきました。その際に,国土交通省の補助メニューを活用できることを含めて質問させていただきました。そのとき,それに対する産業振興部長の答弁としては,本市の公共交通網整備に際して,非常に重要な課題と認識というふうにもおっしゃってます。ですから,その後,どのような働きかけをされているのかということが非常に気になるところでもあります。
 また,しかしながら,一方で,公的な支援を得るための特定旅客施設に該当しないとの発言もありましたが,このときの質問では,ちょっとうまくかみ合わなかった部分もありますが,国土交通省のほうで,この特定旅客施設としての1日の乗降者数に特に縛られることなく検討できますというふうなことも聞いてたわけで,その際にも,3月の質問の際にも伝えさせていただいているところです。
 そのようなことも,それらを踏まえながら,いろいろまた,考えてますと,このバリアフリー化ということについて,だけでは,鈴鹿市というのは,この伊勢若松駅の改修ということについて,余り積極的ではないようなので,さきに述べましたように,地域住民の方々の関心も高い,海岸線の水害に対する避難所としての機能を追加して,伊勢若松駅の取り組み,バリアフリー化の取り組みと,避難所としての取り組みをあわせてしていただいてはどうかと提案させていただきたいと思います。
 私の案としては,このバリアフリー化の改修の際に,円柱状の鉄筋コンクリートの駅の橋脚というんですか,あれをつくって,その上を,平面を広めにつくる。ですから,平面をつくることで,まず,避難所としての位置づけもできますが,再開発ビルというふうな大仰なところまでは必要はないと思いますので,数百人規模でも,その上に地域の住民の方々が避難できるというふうな形で,避難所としての機能を持たせる。そういうふうな,そのようなことを考えますが,そのような形での再整備について,現在の鈴鹿市の見解をお聞かせください。
               〔資料1の提示を終了〕


○議長(青木啓文君) 市長。
               〔市長 末松則子君登壇〕
○市長(末松則子君)
 それでは,中西議員の御質問に,答弁申し上げます。
 伊勢若松駅の多機能化についてでございますが,近鉄伊勢若松駅は,近鉄名古屋線と鈴鹿線が結節する駅であり,駅の乗降者のほかに,乗りかえによる利用者が非常に多く,本市にとっては,神戸,平田といった中心的市街地と白子駅を初めとする名古屋線沿線地域との交流を促進する機能を有した重要な駅であると私も認識をしております。
 現在,当駅は,連絡通路により,上下線のホームを行き来する構造となっておりますが,エレベーターやエスカレーターの設置等によるバリアフリー化がされていないため,高齢者を初め,利用者にとりましては,移動がしづらくなっており,利便性の向上が望まれているところでございます。
 したがいまして,駅のバリアフリー化に関しましては,今後も施設の管理者であります近畿日本鉄道に働きかけを積極的にしてまいりたいと考えております。
 また,伊勢若松駅の多機能化,特に駅を避難所として活用することにつきましては,地域防災計画との整合性を図る必要がございますので,現状では,困難であると考えております。
 詳細につきましては,産業振興部長が答弁をいたしますので,よろしくお願いを申し上げます。

○議長(青木啓文君) 産業振興部長。
             〔産業振興部長 林 治門君登壇〕
○産業振興部長(林 治門君)
 おはようございます。
 それでは,私からは,中西議員から御質問の伊勢若松駅のバリアフリー化にあわせまして,津波対策としての避難所機能を持たせた整備をしてはどうかということにつきまして,答弁を申し上げます。
 本市の地域防災計画におきましては,若松地区においては,耐震性や標高などの立地条件を考慮いたしまして,津波発生時の緊急避難所としては,若松小学校の校舎や若松公民館を指定をしております。
 また,現時点での三重県によります津波浸水予測では,地震が発生後,本市に津波が到達するまで,約2時間40分程度の時間的な余裕もございますことから,地域住民には,海岸から遠く離れた高台などへの避難をお願いしているところでございます。
 こうしたことから,伊勢若松駅を津波からの避難施設として位置づけて整備する必要性につきましては,それほど高くはないのではないかなというふうに考えております。
 また,駅の多機能化の前提となります伊勢若松駅のバリアフリー化につきましては,まず,鉄道事業者との協議に基づく合意形成が必要でございます。
 そうしたことから,3月議会におきましても,近畿日本鉄道と協議する旨を御答弁申し上げたところでございますが,相手方となります,近鉄事業者の実務担 当者のレベルの見解では,伊勢若松駅のバリアフリー化の必要性は認識されてはいるものの,事業化する駅の優先順位の点などから,早急な整備は,今,考えられないとのことでございました。
 とは申しましても,本市における伊勢若松駅の重要性をかんがみまして,同駅のバリアフリー化に関しましては,今後も,引き続き近畿日本鉄道に働きかけを行ってまいりたいというふうに考えておりますので御理解賜りますよう,お願いを申し上げます。

○議長(青木啓文君) 中西大輔議員。
              〔25番 中西大輔君登壇〕
○25番(中西大輔君)
 今,答弁いただいて,どちらも基本的には,この町がどうするのかというのが,見えないというのが,前回の質問のときからも,非常に気になっているところなんですけれども,先ほど市長がおっしゃられたように,地域防災計画の見直しということが必要なことは,そのことは,もう織り込み済みで,今回も質問させていただいております。
 実際に,この駅ですね,災害に向けて再開発であるとか,取り組むということについて,いろいろ補助金がないかということをちょっと調べてみました。そうすると,国土交通省の中の都市地域防災対策推進室というところがありまして,これ,都市地域整備局の中にあるんですけれども,そこの中の都市防災対策事業というふうな事業がありまして,その中,都市防災総合推進事業というメニューの中に,地区公共施設整備というメニューがありまして,そこの中に活用できるのではないかと思われる補助金のメニューがありました。
 そのことも,一応,いろいろ聞いたんですけれども,前提となってくるのが,その地域における地域防災計画の中で,災害時の拠点施設,避難時の拠点施設として位置づけられていることが,まず必要な要件ですと。有事の際は,自治体が運営するというふうなことが必要であるということ。また,10年以上使われるということ。もう一つ,それが民間の事業者の場所であるとすれば,災害時の協定を結んでいることが必要ですというふうなことがありました。
 そのようなことを考えると,この鈴鹿市として,市長,よく若松のほうに見えていただいてますので,状況のほうは,おわかりいただけると思うのですが,祢宜垣内地区であるとか緑ヶ丘地区,特に海岸線,港のところですね。あのあたりは土地が低く,鈴鹿市の浸水予想マップの中でも,浸水予想地域に入ってるわけですよね。
 その点を考えると,やはり,また,若松の海岸線地域は,高齢化が進んでいる地域でもありますから,その点も踏まえて,高台がない。移動手段についても, 困難であるということですから,この地域防災計画の見直しの際には,ぜひとも,そのあたりも踏まえて,検討していただきたいと思いますが,その点,考慮していただけるかどうか,お聞かせください。


○議長(青木啓文君) 生活安全部長。
○生活安全部長(寺田重和君)
 今,議員がおっしゃられた内容につきましては,検討の中に加えさせていただきたいと思います。

○議長(青木啓文君) 中西大輔議員。
              〔25番 中西大輔君登壇〕
○25番(中西大輔君)
 それであれば,ぜひともよろしくお願いいたします。
 そのように整備していくと,いろいろな課題というのが出てくるんですけれども,災害時,私,津波は確かにリスクとして,非常に大きな課題ではあると思い ますが,今も災害時の想定の中で,2時間ぐらいあるから大丈夫ですよということが出てくるんですけれども,やはりもう少し庁内の中で,意識のほうの統一もしていただいたほうがいいのかなと。幾ら時間があっても,それで車を使って,途中で事故が起これば,その道が使えなくなる。使えなくなれば,当然そのような避難の想定もなくなってしまうということですね。
 高台に逃げていただくというふうにおっしゃられたんですけど,どの高台か,若松であれば岸岡山なのか,若松も,どちらのほうに逃げていいのかというふうなことも踏まえて答弁していただかなければ,地域の住民に対して,ちょっと無責任な答弁になってしまうと思いますので,その点について,やはり考えていた だきたいなと思います。
 今,バリアフリーと,この災害時の拠点という,この二つのところから話をしても,やはりちょっと煮え切らないというふうなことですね。
 もう一つ,機能のほうを追加するということで,今度は,やはり観光拠点,情報発信の拠点としての視点というのを入れていただいて,考えていただきたいなと思います。
 若松地区というのは,大黒屋光太夫を軸とした歴史観光資源がございます。大黒屋光太夫の顕彰会もありますし,記念館もあります。そのようなものがありま すし,また,海産物の水揚げ,また,鈴鹿の中で唯一の造り酒屋となった酒蔵の存在,また,それらを活用したウオーキングのイベントというのは,民間の事業者のほうでも企画されているなど,鈴鹿の観光においても,白子駅とは,また違った意味で一定の位置づけを持っていると考えるべきではないかと思います。
 ですから,やる,やらないというふうなところでいうと,やらないという方向で出ましたが,先ほどのように整備した駅舎に対して,このような観光産業,観光資源の情報提供であるとか,また,乗りかえ駅ということであれば,当然,そこで学生も含めて,市民の移動があるということですから,市民情報の提供であるとか,特産品・物産品の販売なども含めた情報発信機能を追加した上で,そのような駅舎の改修ですか,を考えるべきだと思いますが,その視点について,市の見解のほうをお聞かせください。


○議長(青木啓文君) 産業振興部長。
○産業振興部長(林 治門君)
 それでは,2点目となります,伊勢若松駅の観光拠点整備に関します御質問に,御答弁申し上げます。
 まず,伊勢若松駅周辺の観光資源についてでございますが,若松漁港で水揚げをされますアナゴの料理ですとか,本市唯一の酒蔵,また,地元伊勢若松出身で歴史上の人物でもあります大黒屋光太夫といった,その資料館,大黒屋光太夫記念館などがございます。
 中でも,大黒屋光太夫につきましては,伊勢若松駅前に大黒屋光太夫顕彰会により,ブロンズ像が建立をされておりますし,本市でも,大黒屋光太夫記念館とあわせまして,周辺の供養碑や菩提寺などを紹介し,観光PRに努めているところでございます。
 また,毎年1月には,近畿日本鉄道主催によりますウオーキングとして,伊勢若松駅を起点に,酒蔵と光太夫記念館などをめぐるイベントも行われております。
 こうした情報につきましては,現在,本市を初め,鈴鹿市観光協会,鈴鹿商工会議所,あるいは三重県や三重県観光連盟など,関係機関・団体のホームページや機関誌などを活用して発信をしておりますし,メディアを通した情報発信にも努めているところでございます。
 一方,情報発信の拠点施設についてでございますが,現在,本市におきましては,鉄道駅における観光情報の発信拠点は特にございませんが,駅周辺ということで申しますと,本市の玄関口であります,白子駅前に所在をします鈴鹿市観光協会が現時点では,その役割を果たしているものと考えております。
 観光協会では,本市の観光案内所として,先ほど申しましたが,光太夫など伊勢若松に関連した情報も含め,本市の観光情報の発信や特産品などの展示,販売を行っているところでございます。
 したがいまして,今後も,観光協会と連携を図りながら,伊勢若松地域の情報を含め,本市観光情報の発信力を強化をしてまいりたいというふうに考えておりますので御理解賜りますよう,お願いを申し上げます。

○議長(青木啓文君) 中西大輔議員。
              〔25番 中西大輔君登壇〕
○25番(中西大輔君)
 今の答弁を聞いていても,基本的には自分たちがやるレベルでしか考えてない。本来はお客様,そちらのほうの視点から考えないと, 考えるべきですよね。今であれば,ウオーキングで,伊勢若松駅で乗るとしても,何かお土産ものを買おうとしても何もない。情報をやっぱり拾っていこうと思っても,何もない。そのようなことに対して,やはりもう少し意識を持っていかないと,観光産業なんて,そんなに伸びないと私は考えます。
 ともかく,今回の一般質問での,この多機能化というのは,本当に一部なんですけれども,この質問の答弁を聞く中で,やはり縦割りですね。行政の縦割りというのが出てくる。一つのところに対して複数の機能,複数の可能性というふうなことを検討したときに,どうしても縦割りになってくるというところが壁になってくると思うんですけれども,その点について,今後,市長としては,この横をつなぐということが,たしか施政方針の中でも,おっしゃられていたと思うんですけれども,そのあたり,どのように取り組まれるのか,お聞かせください。


○議長(青木啓文君) 市長。
○市長(末松則子君)
 議員御指摘のとおり,縦割り行政というものが非常に問題になってこようかと思いますが,これから横の連携というものをしっかりと検討というか,横の連携に努めてまいりたいというふうに思っておりますし,先ほどの駅の多機能化ということに関しましても,そういうような中で,これから,あらゆる視点で検討させていただきたいと思いますので,よろしく御理解いただきますようにお願いを申し上げます。

○議長(青木啓文君) 中西大輔議員。
              〔25番 中西大輔君登壇〕
○25番(中西大輔君)
 今の答弁の形で,ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 この一つ目のところで,ちょっと感想みたいな形になってしまうんですけども,伊藤議員の質問にあったように,なぜ,庁内で,職員のいろいろな発想が出てこないのか,議会に対する答弁も,基本的には,やらないというふうな方向でやっている限りは,やるというような発想での,なかなか転換ができないのではないかなというふうに考えますので,その点についても,発想の転換ですね,行っていただけたらなと考えます。